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バーチャルとリアルをつなぐO2Oプロモーションの大いなる可能性

オフラインマーケティング
公開日: 2018-03-12

バーチャルとリアルをつなぐO2Oプロモーションの大いなる可能性

バーチャルとリアルをつなぐO2Oプロモーションの大いなる可能性のイメージ

O2Oプロモーションとは、オンライン(Online) to オフライン(Offline)の頭文字を取った購買行動におけるフレームワークで、デジタルマーケティングの進化に伴って普及してきました。今回は、オンラインからオフラインへ効率的に見込み客を誘引する方法と、誘引するだけではなく、その後の最終的な購入に至る確度を高める方法を考えてみます。

O2Oプロモーションと“心地(ここち)”のつながり

デジタルマーケティングは、日進月歩で進化を続けています。そのような時代においても、店舗などにおけるリアルなオフラインによるコミュニケーションは衰退するどころか、進化を続けています。その主な理由のひとつとして、人間が肌で感じ取る実物の「心地」という感覚をオンライン上で伝えることが不可能であることが考えられます。
オンラインによるコミュニケーションは、人間の視覚と聴覚を刺激する点で非常に優位に立ちますが、実際の「心地」を伝えることはできません。住み心地や履き心地、食感のようなリアルな感触は、実際にその空間で実物を目の前にした体験をしないと実感することは難しいものです。
人間の生活を構成する基本的な要素であり、なおかつ個々人でその「心地」が異なる衣・食・住においては、ITが進化しても、リアルなオフラインによるコミュニケーションが必要とされる事実は不変だと考えられます。そして、特に「衣・食・住」の中の「住」は、高価格で長い期間使用される商品であるため、住宅展示場やモデルルームに来てもらい、体験することの重要性が高い分野といえるでしょう。

効果最大化を目指すO2Oプロモーション設計と事例

では、効果的なO2Oプロモーションで効果を出すために重要となる要素は何でしょうか? 先ほど事例に挙げた「住」というキーワードを例に掘り下げて考えてみます。

1.ターゲットと目的をはっきりさせる

これは、どのプロモーションでも共通して重要なことですが、O2Oプロモーションの場合、オフラインのリアルな空間に来てほしいペルソナをふまえて、オンラインを連動させる必要があります。
例えば、先ほどリアルな体験として紹介した「住」の場合、高級マンションや高級住宅街の住宅を販売するのであれば、そのようなターゲットが接触している媒体、好みそうな洗練されたデザインやトーンを使用したグラフィック、価値の高いノベルティなどを用意して誘引する必要があります。逆に、ファミリー向けの物件であれば、子供向けや、生活に便利なノベルティを用意し、明るく親しみやすいデザインやトーンで、誘引する必要があります。
その物件がターゲットとする人々の嗜好や生活レベルなどを把握して、それに合わせたオンラインメディアなどからの誘因をすること、そして、受け皿となるオフラインで伝える物件の世界観も、ターゲットの嗜好に合わせた仕様にしておくことが必要です。

2.PDCAサイクルで精度を高める

O2Oプロモーションで効果的な連動を実現させ、リアルなオフラインの空間に生活者を誘引して購入に至れば、一連の施策は成功と言えます。しかし、実際にオフラインの場に来てくれた生活者や購入者のデータを蓄積し、それをオフラインにフィードバックして、連動の効果を継続的に高めていくことは重要なことです。
実際の来店・来場者のなかで、オンライン上のコンテンツから誘引された割合を把握しておくためには、例えばこちらのようなQRコードでエントリーをして住宅展示場への来場を促進させたキャンペーンの枠組みが参考になります。このキャンペーンは、特設サイトで事前登録をしてから住宅展示場で2つのモデルハウスを見学し、設置されたカードを撮影してキャンペーンに応募するという仕組みです。

3.「オンラインだからできること」を最大化させる

大和ハウスは、2015年、GW期間中における住宅展示場への誘引を目的としてOne to Oneマーケティングと、O2Oプロモーションを組み合わせた施策を実施しました。その仕組みとしては、先ず各個人に向けて配信される動画広告に現れる住宅の表札が、配信される各個人の名前になっています。そして各個人の居住エリアと、案内される住宅展示場のエリアを連動させて、都内在住であれば都内の住宅展示場の案内が表示されるのです。オンラインだからこそできるパーソナライズという仕組みと、オフラインのリアル体験を組み合わせた興味深い事例のひとつです。

O2Oプロモーションの未来予想図

O2Oプロモーションの未来予想図のイメージ

先の大和ハウスの事例は、パーソナライズという形で新しいO2Oプロモーションの可能性を示唆していました。例えば、最近活発になっている住宅メーカーと家具メーカーのコラボレーションをO2Oプロモーションの文脈で考えてみましょう。オンライン上で、各個人が好きな家具メーカーを登録することで、実際にその家具がバーチャルな居住空間で配置された様子を見ることができれば、その住宅メーカーへの興味は強くなることでしょう。個々人にカスタマイズされたプロモーションを実施することで、購入検討者との心理的距離は、ぐっと縮まるのです。
このようなサービスの実施は、IT領域のパートナー企業を探して連携をすれば、それほど難しくはありません。新しい住居における居住後の生活を具体的に生活者に見せることができれば、購買行動を促進させることができますし、それがO2Oプロモーションの価値と言えます。その意味で、O2Oプロモーションのポテンシャルは、高いと言えるでしょう。

時代で変わることと変わらないこと

O2Oプロモーションは、今後、テクノロジーの発達と共に、その精度やレベルをますます上げていくに違いありません。しかしながら、デジタルマーケティグを取り巻くフレームワークやテクノロジーが進化しても、人々の暮らしを司る最も重要な感覚の「心地」は、リアルでしか体感できないことです。人々が生活するのは仮想空間ではなく、あくまでリアルな現実としての空間なのです。
この2つの空間をつなげる役割を果たすO2Oマーケティングは、今後もデジタルマーケティングの中心的なフレームワークとして、進化を続けていくことでしょう。

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